7月

 

 

 

31(火)   わりとあっさり帰って来た千円札

 

 

 

   自動販売機でなにか飲み物を買おうと思って千円札を入れたらお札がつまってしまった。"千円札投入不可" のランプが点灯し、商品を買うことができない。お札が湿っていたか、入れ方が悪かったのだ。返却ボタンを押しても自販機は何の反応もない。千円札は帰ってこない。つい先日、うだるような暑さの昼下がりの出来事です。

 自動販売機に苦情対応の電話番号が書いてあったので電話をして事情を話した。担当の男性はぼくの話を聞いて自販機の不具合を詫びた。代金は郵送するとのことだった。

    数日後、ぼくのアパートのポストに封筒が投函されていた。開封すると中から簡単な詫び状と、小さく折りたたまれた千円紙幣が出て来た。素早い対応である。

    自動販売機に吸い込まれてしまった千円札は拍子抜けするくらいあっさりと帰って来た。「自販機を調べたところ、湿ったお札を入れた形跡がありますね~」などと言われるのではないか、と内心ビビっていたので。実を言うとぽくはあのとき、少し湿っていたお札を「これくらいだいじょうぶだろう」と思って自販機に使ったのです。

 

 

 

 

28(土)   やっぱスリムな体型のほうがいいのか?

 

 


    たしかヴォーグだったと思うけど、この世界的に有名なファッション誌が、不自然にスリムすぎるモデルのグラビアは掲載しない意向を示した。とても良いことだと思う。モデルさんたちが節制に励んで手に入れた見事なプロポーションはそれはそれで素晴らしいのだけど、細い体にあこがれて十代の女の子が過度なダイエットに走るのはちょっとまずいですよね。スリムな体型が必要以上に礼賛される風潮はあまり健全とは言えないと思う。

    カタログ通販で有名なニッセンにスマイルランドと言うブランドかある。Lサイズ、それ以上の大きめの服を豊富に取り揃えているのだけど、カタログに載っているモデルはなぜか標準的なスタイルの女の子である。太めの女の子をモデルに起用したほうが買う側も着こなしの参考にしやすいと思うんだけどな。やはりモデルはスラリとしているほうがいいのだろうか。謎である。さらに言えばアラフィフ中年男のぼくがなぜスマイルランドの通販カタログなんぞを熱心に読んでいるのだ?これまた謎だ。

 

 

 

 

24(火)   MY HOME TOWN

 

 

 

    ここ何日か仕事で横浜に通っている。ぼくは神奈川県内の高速道路はあまり使ったことがないので最初はとまどったけど、ようやく走り慣れて来た。横浜の高速道路は都内にくらべてクルマの流れが早く、分岐や合流が慌ただしい気がする。

    帰りみちは第三京浜を環八方面にひたすら走る。「川崎・溝の口」出口手前のゆるい右カーブにさしかかるあたりで道の両側にせり出していた崖がなくなり、突然視界がひらけて川崎市街が姿を現す。街並みは多摩川を超えるとさらに密集し、遠くに新宿の高層ビル群が見える。それまで単調な景色が続いていたのでそのながめは壮観です。晴れた日にはスカイツリーだって見えると思う。

    その雑然とした東京の街をながめていると、長距離運転で張りつめていた気持ちが少し楽になる。今までの道がアウェイだとすると、ここから先はいわゆるホーム、通い慣れた道だ。会社まではまだけっこう距離があるんですけどね。

 

 

 

 

17(火)   七分丈のパンツを今年こそ。

 

 


    暑い日が続きますね。今日、梅雨明けしたみたいです。

    これからの季節、明るい色の七分丈のパンツなんか履くとイケてんじゃね?・・・・。毎年この時期になるときまってこんなことを考える。が、日常の些事に追われるうちに七分丈パンツのことはすっかり忘れてしまい、気が付くと秋風が吹き始めている。

・・・・ということをくりかえして25年、今だにぼくは七分丈のパンツを買ったことがない。今年の夏こそは、と思っております。

 

 

 

 

 

 

 

8(日)   LAUNDRY-GATEの想い出

 

 


    松任谷由実さんが1978年に出したレコード「紅雀」の中に「LAUNDRY-GATEの想い出」と言う曲が入っている。" ジミヘンのレコードも返せないまま " という歌詞が印象的な曲です。

    その歌のタイトルになっているランドリーゲートとは、以前、東京都立川市・昭島市にあった米軍基地のゲートの名前だと言うことを最近知った。基地内で働いている人たちの衣類を洗濯する施設が近くにあったのでこの名がついたらしい。地図で確かめると、そのゲートがあったのはぼくが毎朝チャリンコで通り過ぎている場所だった。

    歌の中で " 今はさびれてしまったランドリーゲート " と歌われているけど、30年以上経った現在も基地跡は荒れ放題で、ゲートはさびれたままだ。

 

 

 

 

 

 

    この歌を初めて聴いたのはいつだったか、もう忘れた。中学生か、高校生の頃だ。当時は松任谷由実などに代表される都会的で、洗練された音楽を " ニューミュージック " と呼んでいた。おそらく旧来の、素朴な雰囲気のフォークミュージックと対比するためのネーミングだったのだろう。ワンランク上の生活の匂いがするユーミンの音楽を、十代の頃のぼくは軽い反発と、それと同じくらいの羨望を持って聴いていた。「 "山手のドルフィン" ってどこ? "ランドリーゲート" って一体なに?」ってな感じでね。


    ぼくは10年近くのあいだ、そこをランドリーゲート跡だと知らずに自転車に乗って通り過ぎ、会社に向かっていた。なかなか不思議なものです。